=== Osamushi Mail Magazine =============================================
         1999/10/11 (通巻17号/1409部発行)
========================================================================
Osamushi Mail Magazineは、手塚治虫氏の出版・イベント情報など
ホットな話題をお届けする無料メールマガジンです。
========================================================================

[トピックス]
◇「ブラック・ジャック限定BOX」秋田書店より発売予定

[ザ・見出し!]
◇9月の雑誌・新聞記事

[手塚治虫ショートショート]
◇第3回:福沢諭吉「福翁自伝」を読む(〜陽だまりの樹より〜)

[手塚治虫最新ニュース]
1:出版
 2:イベント情報
3:放送

[今日は何の日?]
◇10月11日の手塚関連の出来事

[今週のひとこと]

------------------------------------------------------------------------
[トピックス]
◇「ブラック・ジャック限定BOX」秋田書店より発売予定
------------------------------------------------------------------------
◎「ブラック・ジャック限定BOX」

手塚FC会誌「手塚ファンmagazineVol.125」によると
ブラック・ジャックファン待望の限定BOXセットが限定発売されるようだ。

目玉は、コミックスに未収録の『不死鳥』『落下物』の漫画を収録!!
他に、扉絵や原稿の複製。ピノコのフィギュア、オリジナルビデオ、ポスター、
携帯ストラップなどマニア心をかきたてる?商品で構成されているようで
発売が楽しみだ。予約は11月より商品は来年3月〜4月を予定している。

------------------------------------------------------------------------
[ザ・見出し!]
気になる新聞、雑誌から手塚関連の掲載記事を1ヶ月分まとめて紹介します。
見出しで1ヶ月の動向を探ってみましょう。
------------------------------------------------------------------------
◎1999年9月の「手塚治虫」関連「雑誌・新聞」記事

☆新聞記事

・1999年09月01日 朝日新聞
2000年あけましてアトムです 年賀はがき11月1日発売

・1999年09月01日 産経新聞/東京版
年賀はがきに鉄腕アトム

・1999年09月01日 朝日新聞/夕刊
『私が愛した名探偵』ヒゲオヤジ 手塚漫画の救世主 山崎浩一

・1999年09月09日 朝日新聞/兵庫版
やなせ作品の魅力探る 手塚記念館でアンパンマンの企画展

・1999年09月10日 朝日新聞/大阪版
アンパンマンの魅力紹介 原画など30点、宝塚で展示

・1999年09月10日 朝日新聞/奈良版
アンパンマンの魅力紹介 宝塚で作品展始まる 

・1999年09月12日 中日新聞
『20世紀の名著』手塚ワールドの象徴 手塚治虫作「鉄腕アトム」夏目房之介

・1999年09月15日 産経新聞/東京版
【談話室】アトム年賀状 今から楽しみ

・1999年09月18日 毎日新聞
『サタデーアイ』時代の目 
夢のモニュメント日本万国博70フジパン・ロボット館

・1999年09月20日 中国新聞/夕刊
メロディーとともに 「鉄腕アトム」手塚の夢 空をこえて
 環境・科学 時代先取ったドラマ

・1999年09月21日 日本経済新聞/夕刊
『タウン・ビート』没後10年でも10万馬力、手塚ワールド魅力拡大

相次いで発売される関連グッズや関連書籍の出版について

・1999年09月22日 徳島新聞
年賀はがき、11月から発売 徳島中央郵便局

・1999年09月25日 朝日新聞/夕刊
『ビジネス戦記』日本マクドナルド社長・藤田田 勝てば官軍 2

北野中学の先輩・後輩の関係だったその時のエピソードを紹介
以下は本文より引用:
>北野中学では一年下に手塚治虫さんがいました。
>合同授業のとき、よく横で漫画を書いていた。
>彼が教練をさぼって注意したら、「あんなものやる必要ないと思う」
>というので論争したこともあります。

------------------------------------------------------------------------

[手塚治虫ショート・ショート]
◇第3回:福沢諭吉「福翁自伝」を読む(〜陽だまりの樹より〜)
------------------------------------------------------------------------

 福沢諭吉は中津藩出身で大坂の緒方洪庵の塾(適塾)に入ったが、
晩年に書いた「福翁自伝」で適塾の思い出にふれている。
「福翁自伝」はいくつかの章からなっていて、章はさらに項目に分かれている。
以下で、適塾のことを書いた「緒方の塾風」の章から、いくつか項目を
ひろってみよう。

「塾生裸体」 塾生は刀を共有物のようにしていたという話がある。
「裸体の奇談失策」 福沢諭吉の失敗談。呼ばれて裸で出たら、緒方洪庵の
奥さんだったという話。
「不潔に頓着せず」虱などの話。
「豚を殺す」ブタを殺した礼にその頭をもらい、解剖した後に食べたという話。
「難波橋から小皿を投ず」 難波橋から船に向かって小皿を投げた話。
「自身自力の研究」 適塾での会読の話。割り当てられたところができれば白
丸、できなければ黒丸。
「工芸技術に熱心」 アンモニア作成の話がある。アンモニアの匂いは強烈で
落ちにくく、近所から苦情がきた。その後、一部の者が船の上でアンモニアを
作った。

 それでは、以下、「緒方の塾風」の「遊女の置手紙」の全文を紹介しよう。

「遊女の置手紙」

 それから塾中の奇談をいうと、そのときの塾生は大抵みな医者の子弟だから、
頭は坊主か総髪で国から出てくるけれども、大阪の都会に居る間は半髪になって
天下普通の武家の風がしてみたい。今の真宗妨主が毛を少し延ばして当前の
断髪の真似をするような訳けで、内実の医者坊主が半髪になって刀を挟(さ)
して威張るのを嬉しがっている。そのとき江戸から釆ている手塚という書生が
あって、この男はある徳川家の藩医の子であるから、親の拝領した葵の紋付を
着て、頭は塾中流行の半髪で太刀作の刀を挟してるという風だから、如何にも
見栄があって立派な男であるが、如何も身持ちが善くない。
ソコデ私がある日、手塚に向かって「君が本当に勉強すれば僕は毎日でも講釈を
して聞かせるから、何はさておき北の新地に行くことは止しなさい」と
言ったら、当人もその時は何か後悔したことがあるとみえて
「アア新地か、今思い出しても忌(いや)だ。決して行かない」
「それなら吃度(きっと)君に教えてやるけれども、マダ疑わしい。行ないと
いう証文を書け」
「宜しい、如何なことでも書く」と言うから、云々(しかじか)今後きっと勉強
する、もし違約をすれは坊主にされても苦しからず、という証文を書かせて
私の手に取って置いて、約束の通りに毎日別段に教えていたところが、その後
手塚が真実勉強するから面由くない。こういうのは全く此方(こっち)が悪い。
人の勉強するのを面白くないとは怪(け)しからぬことだけれども、何分興が
ないから窃(そっ)と両三人に相談して「彼奴(あいつ)の馴染の遊女は何という
奴か知ら」「それはすぐにわかる、何々という奴」「よし、それならば一つ
手紙をやろう」と、それから私が遊女風の手紙を書く。片言交りにあれらの
言いそうなことを並べ立て、何でもあの男は無心を言われているに相違ないと
推察して、その無心は、吃度麝香(じゃこう)をくれろとか何とか言われたこと
があるに違いないと堆察して、文句の中に「ソレあのとき役足(やくそく)の
じゃこはどておます」というような、判じて読まねば分らぬようなことを書き
入れて、鉄川様何々よりと記して手紙は出来たが、しかし私の手蹟(テ)じゃ
不味(まず)いから、長州の松岡勇記という男が御家流で女の手に紛らわしく
書いて、ソレカラ玄関の取次をする書生に言い含めて
「これを新地から来たと言って持って行け。しかし事実を言えば打(ぶ)ち
撲(なぐ)るぞ。宜しいか」と脅迫して、それから取次が本人の所に持って
行って「鉄川という人は塾中にない、多分手塚君のことと思うから持って来た」
と言って渡した。手紙偽造の共謀者は、その前から見え隠れに様子を窺うていた
ところが、本人の手塚は一人で頻りにその手紙を見ている。
麝香の無心があったことか如何か分らないが、手塚の二字を大阪なまりにテツカ
というそのテツカを鉄川と書いたのは、高橋順益の思い付きでよほど善く
出来てる。
そんなことで如何やらこうやら、遂に本人をしゃくり出してしまったのは罪の
深いことだ。
二、三日は止まっていたが果してやって行ったから、ソリャ締めたと共謀者は
待っている。翌朝帰って平気でいるから、此方も平気で、私が鋏を持って行って
ひょいと引捕えたところが、手塚が驚いて「どうする」と言うから
「どうするも何もない、坊主にするだけだ。坊主にされてまた今のような立派な
男になるには二年ばかり手間が掛るだろう。往生しろ」と言って、髻(もとどり)
を捕えて鋏をガチャ/\いわせると、当人は真面目になって手を合わせて拝む。
そうすると共謀者中から仲裁人が出て来て
「福沢、余り酷(ひど)いじゃないか」「何も文句なしじゃないか、坊主に
なるのは約束だ」と問答の中に、馴合(なれあい)の中人がだん/\取り持つよう
な風をして、果ては坊主の代りに酒や鶏を買わして、一緒に飲みながら
また冷かして「お願いだ、もう一度行ってくれんか、また飲めるから」と
ワイワイ言ったのは、随分乱暴だけれども、それがおのずから切諌(イケン)に
なっていたこともあろう。

[担当:佐藤和美]

◎『陽だまりの樹』に出てきた「適塾」ガイド
現在も当時の雰囲気そのままに資料館として公開されています。
興味のある方は行ってみると作品がより深く理解できるかも?
手塚先生の描かれた色紙も展示されています。

所在地:大阪府大阪市北浜3丁目3番8号
電話番号:06-231-1970
交通:京阪電車淀屋橋駅/北浜駅徒歩5分、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅徒歩5分
休館日:日曜日/月曜日/祝日、年末年始(12/28〜1/4)
開館時間:10:00〜16:00

------------------------------------------------------------------------
[手塚治虫最新ニュース]
------------------------------------------------------------------------
1:出版

○10/18 小学館 小学館文庫 「旋風Z」
○10/26 小学館 ビッグコミックスワイド「陽だまりの樹」3巻

○秋田書店の漫画雑誌「ミステリーボニータDX」(隔月刊)
"リリカ"に連載された「ユニコ」が再連載中。
http://www.akitashoten.co.jp/

 ○集英社 漫画雑誌「オールマン」に手塚治虫研究連載中
「よみがえる巨星・手塚治虫 THE KING O.T」構成・文:池田啓晶氏
毎月第1・3水曜日発売。

 ○ふゆーじょんぷろだくとから『虫の標本箱3』発売予定(予約限定本)
原本復刻した限定本、ロックの魅了が満載!
・ロック冒険記1〜3巻(鈴木出版)
・消えた秘密境(鶴書房)
・化石島(東光堂)
・少年探偵ロック・ホーム(ニューブック社)
完成予定日:1999年11月3日 定価35000円(送料500円)

2:イベント情報

○宝塚市立手塚治虫記念館
「アンパンマン展―やなせたかし・手塚治虫二人展―」
1999年12月8日(水)まで開催中。
   展示は二部構成
第一部:年表などで2人のかかわりや経歴を紹介。
「千夜一夜物語」と「やさしいライオン」の上映。
第二部:アンパンマンのカラー原画約25点、アイデアスケッチの展示
「それいけ!アンパンマン」の第一話を上映。
なお、会場には、アンパンマンのぬいぐるみなども置き、子どもが
自由に遊べる場を設けている。

3:放送

○文化放送で連続ラジオドラマ”「手塚治虫の火の鳥〜永遠の生命」

1999年10月7日〜2000年3月30日 毎週木曜日 21時〜21時30分
劇団「昴」の役者さんによってラジオドラマ化 全25回放送
(10月7日放送は「黎明編その1」ナギが船で猿田彦とクマソに逃げる
ところまででした。(全集だと「火の鳥1のP128まで))

○9月のWOWOW手塚治虫劇場
 
手塚プロ制作「三つ目が通る」(月〜木AM7:00〜、PM6:30〜(再))
6話「美少女はヘビの使い」〜17話「受験戦争と平和?」
10/11〜10/28放送予定。

  <放送スケジュール> 
 http://www3.mediagalaxy.co.jp/wowow/schedule/index.html

○NTVで「リボンの騎士」再放送中
 
虫プロ制作「リボンの騎士」(月〜木PM17:00〜17:30)
2話「魔王登場」(10/11放送)〜

------------------------------------------------------------------------
[今日は何の日?]
◇10月11日の手塚関連の出来事
------------------------------------------------------------------------
「初出(漫画)」
◎「西部パリーグ優勝」:報知新聞(1987年)
◎「BJ"盗難"」:週刊少年チャンピオン(1976年)

「アニメーション」
◎新・ジャングル大帝"最終回":テレビ東京系(1990年)

★ピックアップ
「新・ジャングル大帝」
 手塚先生が志半ばで手放さざるを得なかったテレビアニメって3本あります
よね。

"聖書物語"
"青いブリンク"
"新・ジャングル大帝"

 その中でも一番影が薄いのが本作品ではないでしょうか?(^^;)。
でもね、結構好きなんですよね、私は。
「ジャングル大帝」ってのがあまりにもメジャーすぎて、でもメジャーに
知られている内容を壊して作られたストーリーがあまり受け入れられないのかも
しれません。
先生がアニメ化に当たってどれだけのことをスタッフに伝える事ができたのか
よく分かりませんが、私にとってはそれが却って気楽に観られる要素になったの
かな、と思います。「青いブリンク」「聖書物語」はみるたびにドキドキものだ
ったんですよ。ストーリーにではなくて、先生の遺志をどれだけ継いでいるんだ
ろう、なんて生意気な気持ちが出てしまったのです(--;)。
 だからある意味でこの「新・ジャングル大帝」は気楽に楽しめましたし、
川尻さんのデザインも好きでしたし、小林さんが総作画監督ということで安定
した絵柄でしたし、なによりOP,EDは秀逸です。
もし未見の方はOP,EDだけでもぜひどうぞ。

P.S 「日経ホームページ大王」に私のHPをノミネートしてあります。
心やさしい方(^^)、は清き一票をお願いします。
下記URLに投票ボタンを設置してあります。
http://www.phoenix.to/
宣伝でした。

[担当:あきひこ]

------------------------------------------------------------------------
[今週のひとこと]
------------------------------------------------------------------------
現在、冬のコミケ目指して同人誌制作開始しました。次回は資料集になる予定。
角川書店から発行されている月刊ニュータイプ11月号のファンジンレビューの
コーナーに前回の同人誌が紹介されてます。
問い合わせの多いWebとメールのiモード対応実験中です。

[こ]
次号は、10月31日の発行予定です。

●手塚治虫メーリングリスト参加者募集●
双方向型メーリングリストへのご参加もお待ちしております。
http://www.osamushi.com/aboutml.html
====================================
■発行元:手塚治虫メーリングリスト
発行責任者/編集人:こにしあきら(konishi@osamushi.com)
Web製作:山本陽平(yohei@osamushi.com)
連載:鈴木昭彦(aki@phoenix.to)
佐藤和美(hi5k-stu@asahi-net.or.jp)
ホームページ:http://www.osamushi.com/
●ご意見・ご感想・ご質問・ご投稿:mailmagazine@osamushi.com
◎当メールに掲載されたすべての記事を許可なく、転載することを禁じます。
Copy right (C)1999 Tezuka Osamu ML
====================================
このメールマガジンは、手塚治虫メーリングリスト内での配布と
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
ニフティ『Macky!』          http://macky.nifty.ne.jp/
『Click Income』  http://www.clickincome.net/
『Pubzine』 http://www.pubzine.com/
を利用して発行しています。
------------------------------------------------------------------------