[osamushi 8486] BJ第77話 感想
Date: Mon, 16 Oct 2000 17:15:03 +0900 (JST)

 虫媒花です。こんにちは。

 いのうちさん、やはり76話(水頭症)は名作ですよねー。
(皆様も、ぜひ読んで!)


 さて。「ドラキュラに捧ぐ」について:

 吸血鬼やドラキュラの正体については、諸説があります。
 15世紀ルーマニアのヴラド・ドラキュラ(ツェペシュ)の
逸話に尾鰭がつき、吸血コウモリの生態と混じり合った、という
あたりが、現在では一番ポピュラーな説でしょうか?

 でも、この話での、手塚先生の説は違います。
 吸血鬼一族は、実は「血液の病」だったいうのです。

 読者になじみのある学校から、舞台は飛んで、ヨーロッパの
城を思わせる古びた屋敷へ。
 夜。ロウソクの明かりに照らし出された室内。
 階段を降りてくる黒服の紳士・・・
 道具立ては揃った、という感じですねー!

 でも私は、ドラキュラを登場させるために強引に作った話としか
感じられず、あまり面白くありませんでした。すみません。

 BJも、交換輸血のために10万ドルで雇われた医師、という
だけで、ほとんど活躍しませんし・・・

 メスの替わりに、注射器を投げているのが斬新(?)ですが・・・

     虫媒花


[osamushi 8494] BJ第77話感想
Date: Wed, 18 Oct 2000 01:09:47 +0900

 みなさんこんばんは。金沢みやおです。

>[8489] 野口さん
>僕は、確認して気が萎えてしまいました。(苦笑)

 うひゃっ。萎えましたですか。巨匠にも困ったもんですね笑。
 苦手な人が多いと評判の「黄金のトランク」は絵物語なのですね。
 はぁ〜、なつかしいな「絵物語」。
 昔、我が家にも山川惣治(←字に自信なし)の「少年タイガー」とか「少年
 ケニア」があって、寝る前に親が読んでくれたもんでした。
 馬賊の一党が馬で追っかけてくる、その足音が「パカラン、パカラン」と表現
 してあった事を今でも憶えています。三つ子の魂なんとやらです。

 「ドラキュラに捧ぐ」

 私はけっこうこの話好きです。
 つっこみ所も確かにあります。この父娘は、けっきょく何国人やねん?、とか。
 先生は車で来たのだから、帰り道で野犬が出ると脅かされても平気なはずでしょ
 う?、とか。やはり日光に弱い父親の血で娘の血液を交換しても、やっぱり弱い
 ままでしょう?、ダメじゃん。とかね。

 でも、なんか好きですね。なぜかといえば、
 ドラキュラ(吸血鬼)とは何者かを、おおまじめに、医学的・科学的に説明しよ
 うとした工夫が良いです。
 全編をおおう、重厚な、怪奇映画風のトーンもお気に入りです。
 特に本作では、いつものおふざけが、いっさいありません。
 ヒョウタンツギ化したりせず、最後まで劇画度高く進行したので、父親のダンディ
 な怪物紳氏ぶりも格好よく映えました。
 そういった雰囲気の良さが私には受けました。

 娘の名前「葉斑しげり」(はまだらしげり)は、これはもう、
 ドラキュラ→血を吸う→蚊→ハマダラ蚊 から来てますね。
 ハマダラカは、アカイエカとならんで、日本の代表的な蚊です。
 「人間昆虫記」の「臼場かげり」→ウスバカゲロウ と同タイプの名前ですね。


[osamushi 8501] BJ77話 感想
Date: Fri, 20 Oct 2000 01:31:54 +0900

薮内です。

77話 「ドラキュラに捧ぐ」

ドラキュラの気持ちは良くわかるが
なんと自己中かと思ってしまいますね。

でも自分の子供でも簡単に殺してしまう、いやな事件が多発する
現代から見れば、許せるような自己中かとも思います。

でも、他人を殺しちゃ駄目ですよね。やっぱり

それでも、私が弁護を引き受けたら言いますよ、
「被告ドラキュラは自分の娘を助けたいが一心で
担任教師の血ほしさに犯行に及んだもので
その動機には十分情状酌量の余地があると
思われます。
さらには、犯行当時、心神耗弱であったとも考えられるので
精神鑑定を求めます。」

でも、悪いことには報いがくると最後のシーンを見て
ほっとしています。罪のない子供は救われるし、その点でも
めでたしではないでしょうか。

 薮内 覚


[osamushi 8511] BJ  第 77 話 出演キャラリスト
Date: Sat, 21 Oct 2000 02:47:48 +0900

おがわ@実は吸血鬼ファン、です。

BJ 第77話 「ドラキュラに捧ぐ」 出演キャラクターリスト(出演順)

  ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先生
  マリア・・・・・・・・・・・・・・・・葉斑しげり
  タマオ・・・・・・・・・・・・・・・・しげりの同級生
  ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・召使
  アルカード伯爵・・・・・・・・・しげりの父
  ブラック・ジャック・・・・・・・・ブラック・ジャック
  
しげりは「やけっぱちのマリア」のマリアでしょう。
しげりの父は「I.L」に出てきたアルカード伯爵です。
「I.L」でもこのキャラクターは実はドラキュラ本人であることが示唆され
ていたので、2度目のドラキュラ役です。
アルカード(ALUCARD)は「I.L」の中でも説明されていたように
DRACULAのアナグラム。
たしかロン・チャニー・ジュニアが吸血鬼を演じた「夜の悪魔」(1943)で
初めて使われた名前だと思いますが、吸血鬼もののマンガや小説では
いたるところでお目にかかる名前ですね。
めるへん・めーかーさんの「吸血鬼幻想」の主人公もアルカーディ・アル
カードだし、「ときめきTonight」にもあるかど(有角?)君って出てこな
かった?

手塚先生にはドラキュラをモデルにしたキャラクターがたくさんいます。
「鉄腕アトム」の「コウモリ伯爵の巻」に出てきたペタン氏や、「バンパ
イヤ」の丸山バンパイヤ革命委員長、もちろん極めつけは「ドン・ドラ
キュラ」ですね。
BJその人もあの黒マントはドラキュラがモデルでは?
第59話「にいちゃんを返せ」でも「ドラキュラー」って言ってましたね。

今回の話は確かに無理がある話ではあるんですが、好きです。
なんといっても現代日本を舞台にした医学マンガに「本物のドラキュラ」
が出てきてしまうというところがすごい、すごすぎる。
しかもいたるところに吸血鬼ファンの心理をくすぐるところが出てきます。
「カルパチア地方」はもちろんドラキュラ城のあるルーマニアの辺境です。
そのあと、先生が指を切って血を流すのをドラキュラがすごい目で
見つめるというのも、「魔人ドラキュラ」他いくつかの映画で取り上げら
れた有名なシーン。
手塚先生のイメージとしてはクリストファー・リーの「吸血鬼ドラキュラ」
より、戦前のユニヴァーサル版「魔人ドラキュラ」なんでしょうね。
先生に泊まっていくように言うシーンで、犬が遠吠えしているのも、
「魔人ドラキュラ」の有名な

「聞きたまえ、夜の子供たちだ。なんと美しい音楽だろう。」

というあの美しいセリフを彷彿とさせます。
もちろん映画では狼ですが。

もうすでに長すぎるんで、この辺にしときますが、大林宣彦監督で「ドン・
ドラキュラ」が映画化される話があったのはご存知ですか?
「映画宝庫」の「ドラキュラ雑学写真事典」(1980)という本に桂千穂に
よる脚本第一稿と大林、石上三登志の対談が載っています。
どういう理由でポシャったのか知りませんが、見たかったなあ。

あ、あと召使役の人が分からなかったんですが、見覚えのある顔です。
気がついた方、教えてください。

おがわさとし


[osamushi 9034] BJ 第77話 感想
Date: Wed, 27 Dec 2000 23:45:52 +0900

宮川です。 BJ 第77話 「ドラキュラに捧ぐ」 感想

ある日、葉斑しげりは、学校で倒れ担任の女性教師が
彼女の家まで送っていった。女性教師は葉斑の家で食事を
する際、グラスで指を切ってしまった。これは葉斑の仕組
んだことで、女性教師の血液型を調べるためだった。
葉斑は、女性教師に今夜は泊まっていくようにと言う。
夜、葉斑しげりの担当医師だとBJが女性教師の寝室に
現れて、女性教師を逃がそうとするが、葉斑の召使いに
捕まり、葉斑しげりの病気について知らされる。
しげりと同じ血液型の女性教師の血をしげりに交換輸血
するためBJが呼ばれるが、ここでBJと葉斑の乱闘となり、
葉斑は死ぬ。葉斑の血を、しげりに輸血することをBJは
葉斑に言い、ラストの台詞となる。(タイトル名)

BJの話しとしての分類では、この話しはスリラーになるのかな?
BJの話しとしては、印象がちょとアメリカンコーヒーといった
感じでしょうか。話しはそれなりにくふうされていますが、展開
の切り替えがあっさりしすぎなような・・・。これもページ数に
問題があるのかもしれません。

・オリジナルからコミックスへの転載時に、コマ位置変更がラスト近
 くにあります。また、オリジナルの刷り色が藍の為、保存状態が最悪
 となっています。裏写りが酷いということです。

<補足>

・チャンピオンコミックスの昭和版・平成版、変更なし。

・週間チャンピオン連載時の刷り色、藍一色。ページ数、P19。
 ページ割り、扉表紙、P87.本文−P88〜P105。
 発行日、75.6.16.

Takehisa Miyagawa


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